那古野城から名古屋城 |
移動するには身軽手軽が一番だから、旅先ではコインロッカーをまず探す事になる。
だから100円玉の用意は欠かせない。(たまに両替機が併設されていたりすると“拍子抜け”するほどだ )
ただ 馴染みの地域だと空きが多い穴場を知るまでになるが、慣れない土地では 設置場所を探すのに苦労する。
案内所で聞いた最寄りのコインロッカーにキャリーバックを預けて、JR名古屋駅「広小路口」改札脇の中華料理店に入った。
( 前回 “この搾菜は美味しい”と褒めたら追加サービスをしてくれた。それが嬉しくて、今回もこの店でランチを食べる)
満腹して「名古屋城」に向かう。
地下鉄桜通線の久屋大通駅で(駅員氏の指示通り)名城線の“右回り”に乗り替えて、市役所駅で下車した。
正門までは結構距離がある。散歩中の男性に教えられた近くの東門からお城に入る。
家康は廃城となっていた「那古野城」跡に、西国の大名に普請を命じて名古屋城を築城した。
この築城前後の時代の流れを見ると、おおよそ次のようだ。
▶︎大永年間(1521〜28)今川那古野氏 那古野城を築城
▶︎1538年(頃)織田信秀(信長の父) 同城を奪取
▶︎1546年(頃)信長 那古野城城主に
▷1560年 信長 今川義元を討つ(桶狭間の戦い)
▷1567年 信長 稲葉城を攻略(岐阜城に改称)
▷1573年 信長 足利将軍を追放(室町幕府滅亡)
▷1576年 信長 安土城築城
▷1582年 信長死す(本能寺の変)
▷1583年 秀吉 大坂城築城
▷1590年 秀吉 天下統一
▷1592年 秀吉 伏見城築城
▷1598年 秀吉死す(伏見城)
▷1600年 関ヶ原の戦い
▷1603年 家康 征夷大将軍に(伏見城)
▶︎1610年 家康 名古屋城築城
▶︎1612年 天守完成
▶︎1613年 碁盤割の城下町完成
▷1614年 大坂冬の陣
▶︎1615年 本丸御殿完成
▷ 同 大坂夏の陣(豊臣滅亡)
▷1616年 家康死す
▶︎ 同 初代尾張藩主徳川義直
東門をくぐると そこは二之丸で、「那古野城跡」の立札と「清正公石曳きの像」があった。
( 天守の石垣普請を命じられた加藤清正は、巨石を運ぶにあたり自ら石に乗り音頭をとったとされる)
二之門から表ニ之門(本瓦葺の高麗門)を経て本丸に移る。
ここでは 1945年5月の空襲で天守共々焼失した「本丸御殿」を2009年から復元工事中で、木曽桧をふんだんに使用して復元を終えた 玄関・大廊下・表書院を見学出来る。
( 近世武家風書院造・城郭御殿建築の傑作と言われた本丸御殿の復元にあたり、継手・仕口で木材を組み立てる伝統的な技法が採用された。玄関や表書院は2013年5月から公開されている)
最後に 本丸御殿復元運動の提唱者「夢童由里子の記念銘板」を見て御殿を出た。
「清正石」がすぐ近くの旧ニ之丸東ニ之門傍にあった。
大坂城には及ばないものの横幅6m 高さ2.8mの巨石で、『名古屋城最大の石垣石材。ここ本丸搦手枡形の石垣は黒田長政の担当であったが、巨石であるゆえ普請の名手加藤清正が積み上げと伝えられる』と立札には記されてある。
外国人団体客に混じって5層5階の天守に入る。
( 現在の天守は鉄骨鉄筋コンクリート造りで1959年に外観復元された)
名古屋城と言えば 金の鯱鉾。原寸大の模型があり『焼失した初代の金鯱は慶長大判1,940枚の金を使用した』の説明文がある。
曇り空のこの日、天守閣からの四方 ( 伊吹山 清洲城 / 中央アルプス 恵那山 / 御嶽山 犬山城 / 白山 岐阜城 )の眺望は叶わなかった。
不明門から本丸を出て、御深井丸を経て西之丸に向かう。
途中 築城時の礎石を復元した「天守礎石」に寄り、大天守と小天守を連結する「剣塀」の傍を通り、天守と西南隅櫓を振り返りながら歩くうちに出口の正門に着いた。
名古屋駅中央コンコース(鉄道警察隊の脇奥の)コインロッカールームに戻った。
( ロッカーの数が多いので助かったが、敢えて言えば 入口付近に数段と言えども階段があるのは不親切な構造だ )
ロッカーの集中操作盤と格闘する。
“なに…6桁の鍵番号を打ち込む? え〜と…”
( 脳に染み込んでいる鍵式のコインロッカーの手順 ①扉を開けて荷物を入れる②扉を閉めてお金を入れる③鍵を左に回して抜く……④鍵を差し込んで右に回せば扉は開く、は役に立たない )
そのうち 後ろに並ぶ老紳士が(痺れを切らしたのか)肩越しにアドバイスをくれた。
預けた時に出てきた「ロッカーご利用証明書」を取り出して、プリントされていた鍵番号をインプットしたら荷物が取り出せた。
それから 頭の中のコインロッカー用引出しをバージョンアップしながら新幹線のホームに向かった。
■名古屋城 ( 別名 : 金鯱城 金城 亀尾城 柳城 蓬左城 )
052-231-1700
名古屋市中区本丸1-1
▶︎観覧料500円
▶︎アクセス
・地下鉄名城線 市役所下車
・市バス 市役所下車
・なごや観光ルートバス(メーグル) 名古屋城下車
▶︎本丸御殿の今後の公開予定
・対面所&下御膳所=2016.6.1〜
▶︎夢童由里子(1944〜2015)
・人形作家 造形作家 アートプロデューサー コラム二スト
▶︎天守礎石
・天守再建にあたり移設復元された築城時の礎石
▶︎剣塀
■ランチを食べた店
・中華料理 杏花(あんずのはな)
052-583-6002
JR名古屋駅広小路口改札の隣